パリオリンピック女子バレー、初戦に黒星　巻き返すための古賀紗理那の「答え」とは？ (3ページ目)

　攻守のバランスはあるが、相手よりも多く得点するのがバレーの勝利の条件だと考えた場合、恵まれた攻撃能力を最大限に引き出す工夫と精度は欠かせないだろう。

　ネーションズリーグ予選ラウンド福岡大会で、パリ五輪出場を決めたあとのセルビア戦後、古賀は暗示的にこう洩らしていた。

「コンビのところで、私のタイミングの入り方もあるんですが......。（セッターの岩崎）こよみさんのセットで、下から来るトスは落ち際を叩くことになるから、結局、高いところで打てないので。このまま（と動作をつけながら）トスが上で飛んでいる最中に（打てるように）。少しずれてもいいから、私の（スパイクの）"通過位置"だけ気にしてトスを上げてほしい、と言いました」

　古賀はエースとして堂々と要求していたが、さもなければ、今の高みまで辿り着けなかったはずだ。

「チーム全体で、クイックの出現率をもっと上げたいなと思っています。クイック、バック（アタック）がそれぞれ単体になっているので、もう少し連動させて、いっせいに入るというか。最初はそれができていても、疲労がたまってくると、どうしてもトランジションが遅れちゃっているので、そういう時こそタフに、いっせいに入り込む形を作りたいですね」

　攻め手を増やすことで、古賀自身のスパイクもさらに決まる。チームも躍動する。それは単純な論理のはずだ。

「整理したい」

　ポーランド戦後、古賀は取材エリアで繰り返した。どのような答えを出すのか。彼女の仮説が、答えにつながる。

　８月１日、日本はベスト８進出をかけてブラジルとぶつかる。

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