『ハイキュー!!』の魅力と好きな選手をVリーガー鍋谷友理枝が熱弁! 自身の移籍先のチームは「音駒と共通点がある」 (3ページ目)

  • 池田鉄平●取材・文 text by Ikeda Teppei

――先ほど、『ハイキュー!!』からは練習や試合での頑張り方を学べると話されていましたが、具体的には?

鍋谷 個人的に、山口くんのピンチサーバーとしてのシーンから多くを学びました。私自身もピンチサーバーで試合に入ることがけっこうあるのですが、山口くんが練習で試行錯誤しながらさまざまなサーブを打つ様子、それが試合でどう影響するのかを学べましたね。彼は失敗することもありますが、そこからも学んで再び挑戦する姿勢に、自分自身を重ねました。

 試合になると成功を追い求め、自身のサーブでブレイクを取りたいと欲が出てしまうことがありますが、そこで失敗しても「次はこうしよう」と考えることができるようになりました。山口くんの緊張する姿、挑戦する心構えには共感することが多かったです。

 他にも、この作品を読んでから「もう少し落ちついて物事を見よう」「この視点から考えてみよう」と意識するようにもなりましたね。『ハイキュー!!』は一種の教科書というか、高校生はもちろん、Vリーガーなどにとっても参考になることがたくさんあると感じています。

――鍋谷選手は「ハイキュー!!フェスタ2023 ―大壮行会―」もご覧になりましたが、印象に残ったことは?

鍋谷 ファンのみなさんの熱意に本当に驚かされました。個人的に印象的だったのは、スペシャルライブでのアーティストさん(SPYAIR、BURNOUT SYNDROMES、CHiCO)のパフォーマンスと、それに合わせた『ハイキュー!!』のテレビアニメ映像が完璧にマッチしていて、とてもテンションが上がりましたね。声優さんたちの朗読劇も、生の演技を聞けて感動しましたし、本当に楽しかったです。

――来年2月16日に公開される劇場版では、春高3回戦目、烏野高校vs音駒高校の「ゴミ捨て場の決戦」が軸になります。原作で印象に残っているシーンはありますか?

鍋谷 音駒の孤爪研磨くん(2年/セッター)が「たーのしー」とつぶやくシーンですね。 

 春の高校バレー3回戦、烏野vs音駒の3セット目中盤。壮絶なラリーの末に日向(翔陽)くんが得点した時に、コートに倒れた研磨くんが「楽しい」とつぶやく瞬間です。激しい攻防の中で、普段は冷静な研磨くんが感情を露わにし、日向くんが力強いガッツポーズを見せるシーンは非常に印象的でした。

 研磨くんが興奮し、試合が進行するごとに「楽しい!」と感じていく様子は、かなり心が熱くなります。バレーへの愛が伝わってくるこのシーンが、劇場版でどのように描かれるのか、今から楽しみです。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る