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石川祐希ら日本男子バレーがパリ五輪予選に向けて充実 メンタルの強さも備わった (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

【チーム、各選手も万全な状態で大一番へ】

 石川はアジア選手権の前に腰を痛めていたものの、この試合でもサーブやスパイクなどで見せ場を作った。腰の不調についてはブラン監督も「きちんと管理したい」と慎重に状態を見極めている。

 ブラン監督は「今日の内容ではパリには行けないね」とやや不満げな表情も見せたが、「OQTは大きなプレッシャーを感じながら戦う大会だとは思っていない。チームとしての目標はこの大会で出場権を取ることなので、そこに向けてポジティブに取り組んでいく。1戦目にしっかり入ることが大事」と、余裕を感じさせるコメントも残した。

 チームとしては、昨年からセカンドセッターの模索が続いていたが、アジア選手権の直前に山本龍がB代表から呼ばれて合流。そのままOQTでもプレーする見込みだ。山本は関田と比べてトスのスピードが少し遅く、ふわっとしたボールになる印象だが、石川に尋ねると、「そのあたりは経験のあるアタッカーが合わせていかないといけない。でも、(山本は)力がある選手だと思います」と答えた。

 このカナダ戦はワールドカップ本番と同じ会場で満員の観客が入ったが、「とても貴重な経験だった」と選手たちは口を揃えた。攻守の要である髙橋藍、オポジットの西田有志も「代々木でのプレーは初めて」だったそうで、照明の具合などに慣れるのに時間がかかったという。

 西田は昨秋からの体調不良もあり、VNLでは思うようなプレーができなかったものの、アジア選手権ではイランとの決勝で両チーム最多となる15得点を記録。優勝に貢献して「取り戻すことができた」とホッとした表情を見せた。

 妻の古賀紗理那が率いた女子のOQTはテレビで応援し、五輪の出場権をこの大会では獲得できなかった(残る5枠は、来年のVNL予選ラウンドが終了する2024年6月17日時点の世界ランキングにおいて、上位の5カ国が出場権を獲得)ことについては「自分のことのように悔しい」とSNSに投稿。併せて、「自分がバレーをしている姿を見て、もう1回頑張ろうと思ってくれれば」と、主将として奮闘した妻、女子チームの分もと意気込んでいる。

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