「男子に比べて女子バレー日本代表は大丈夫か」の不安を払拭できるか 栗原恵がポジション別に評価 (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • Photo by FIVB

――セカンドセッターについてはいかがでしょうか。VNLでは柴田真果選手、松井珠己選手も起用されていましたが。

栗原 セッターは、メンバーチェンジによって最もチームがガラッと変わる重要なポジションです。柴田選手は安定感があって、アタッカーの打ちやすいトスを上げるタイプ、松井選手はチームの雰囲気を盛り上げつつ、ツーアタックやサーブも含めて攻撃的なタイプという印象です。眞鍋監督がどういうバレーを求めていくかで起用法が変わるでしょう。

 最もコートに立つ時間も長かった関選手は、VNLでアタッカー陣とたくさんコンビを合わせられたので強みになりますね。でも、ファーストセッターに固定されたわけではないでしょうし、きっと監督も明言はしていないと思います。

【宮部に感じたミドルブロッカーとしての自覚】

――続いてリベロは、昨年の世界選手権では福留慧美選手が頑張っていましたが、今大会は2021年に一度は引退するも復帰した西村弥菜美選手が目立っていましたね。

栗原 リベロの選手はそれぞれ、大事な場面でいいレシーブを見せて盛り上げていた印象があります。その中でも、やはり長くコートに立っていた西村選手は安定していましたし、セッターに対する返球などを見てもチームに馴染みやすかったんだと思います。

――最後にミドルブロッカーは、荒木彩花選手については先ほど(前編)で評価を伺いましたが、昨年にアウトサイドヒッターからコンバートした宮部藍梨選手、東京五輪メンバーの山田二千華選手についても印象を聞かせてください。

栗原 宮部選手はコンバートで戸惑う部分もあったと思いますが、今年は本人もインタビューなどで語っているように、ミドルブロッカーとしての自覚を持ってプレーしています。VNLでも、昨年よりも速くなったクイック、ブロックの寄りの速さも見せてくれました。代表で"生き抜く"ために準備してきたことを感じましたね。彼女のブロックは手が出ている時間が長くて、海外の選手によくある、"まだ残っていた"というブロック。あれができるのは宮部選手だけだと思いますし、相手のアタッカーにプレッシャーをかけられますね。

 山田選手は移動攻撃など、攻撃の幅が広い選手。特にブロードを上手に使っている選手です。ミドルブロッカーは、どのポジションに入るか(セッターの横か、対角)で機動力が求められるか、コンビネーションが求められるかが変わってくるので、彼女のようなタイプのミドルも外せないですね。

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