石川祐希が初の「4強入り」を果たしたシーズンを総括 戦いきるタフさを課題に挙げるも「もっと先に行きたい、行ける」 (2ページ目)

  • 柄谷雅紀●取材・文 text by karaya masaki
  • Photo by PA Images/アフロ

【「もっと先に行きたい、もっと先に行ける」】

――今季の戦いを終えて、今の心境はいかがですか?

「すべての試合が終わったので、すっきりしている気持ちもあります。でも、今は決勝が行なわれているので、そういうのを見ると『ここに立てていたはずなのに』と悔しさがフラッシュバックします。準決勝の第4戦、4セット目で僕がしっかり1点決めておけば......とも思いますね。

 でも、そんなことを言ったらキリがない。スポーツは『強いチームが勝つ』んじゃなくて、『勝ったチームが強い』という世界。それを証明するために、もっともっとタフにならなければいけないですし、上を目指したいです」

――これまで過ごした7シーズンとは違った感覚でシーズンを終えたように見えます。

「違った感覚ではありますね。これまでは5位決定戦に回っていたので、ステージをひとつ上がることができました。新しいステージに一歩を踏み出すことができた。『もっと先に行きたい、もっと先に行ける』と思えたシーズンでした。また新しいスタートというわけではないですが、気持ちを新たに次に臨める気はしています」

――プロの世界なので、今季のメンバーで来季も戦うことはないですね。非常に仲がよく、まとまっているように見えたチームでした。今季のミラノのチーム、チームメイトについてどう感じていましたか?

「個人の技よりも、チーム力がある、チームで戦っていくスタイルでした。プレーオフに入って、メンバーが揃ってからは全員のパフォーマンスが高かったと思います。今季から新しく入ったメンバーもいましたが、リベロ、セッター、ミドルブロッカー、オポジットは2、3年一緒にやっているメンバーだったので、お互いにわかり合っていました。

 非常にやりやすかったですし、まとまっていました。バランスもよかったです。メルガレホ選手が後衛にいったら、レシーブでミラド選手が入ったりとか、ミドルブロッカーの3人で誰かが調子が悪かったら交代したりとか、うまく戦えていましたね。そういったなかで、個人のパフォーマンスをもっともっと上げられるといいのかな、と思いました」

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