林琴奈が振り返る、世界バレーで躍動できた理由。同級生セッター・関菜々巳との話し合いも力に (4ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by FIVB

――世界バレーでの活躍で、周囲から気づかれることは増えましたか?

林 私は影が薄いですから、あまりないです(笑)。でも、SNSなどで「日本のバレーを見て元気をもらえた」「バレーを始めてみようと思います」といった言葉をいただくことも増えたのでうれしいです。

――世界バレー終了後はVリーグ開幕まで少し時間があったと思いますが、オフの日はどのように過ごしますか?

林 YouTubeを見たり、動画アプリなどで日本のドラマを見ることが多いですね。大会中などは対戦相手の試合やデータをチェックもしますが、適度にリフレッシュしています。

――ちなみに、世界バレーの中継では林さんの好きな曲がフィーチャーされていましたね。

林 Saucy Dogさんの『優しさに溢れた世界で』ですね。試合前に聴くことも多くて、元気をもらっています。

――Vリーグ3連覇を狙った昨季は準優勝。今季に意識するチームはありますか?

林 (昨季の優勝チームの)久光スプリングスさんは意識しますが......もちろん、どこのチームにも勝ちたいです(笑)。チームではまたレフトでのプレーになりますが、大変でもやりがいのあることなので、楽しんで挑戦していきたいと思います。

――2024年にはパリ五輪も控えています。そこに向かっての意気込みをお願いします。

林 来年のパリ五輪の予選で出場切符を手に入れないといけませんが、まずはVリーグでしっかり結果を残すことが重要です。そして、チームとしてはまた優勝するという目標は変わらない。それを評価していただいて、来年度も代表に選ばれたら、絶対に勝ちたいですね。

【プロフィール】
林琴奈(はやし・ことな)

JTマーヴェラス所属。アウトサイドヒッター・173cm。1999年11月13日生まれ、京都府京都市出身。金蘭会高時代は主将として春高バレーで全国制覇し、MVPも受賞。JT入団後も内定選手の時から大事な試合で起用されるなど、攻守で安定したプレーを持ち味とする。日本代表には2020年に初登録。翌年の東京五輪は控え選手で出番が少なく、2022年度の日本代表ではレギュラーに定着した。世界選手権では、準々決勝のブラジル戦でチーム最多の21得点を挙げるなど代表になくてはならない存在となった。

【著者プロフィール】
中西美雁(なかにし・みかり)

名古屋大学大学院法学研究科修了後、フリーの編集ライターに。1997年よりバレーボールの取材活動を開始し、専門誌やスポーツ誌に寄稿。現在はweb Sportiva、バレーボールマガジンなどで執筆活動を行なっている。『バレーボールスピリット』(そしえて)、『バレーボールダイジェスト』(日本スポーツ企画出版)、『球萌え。』(マガジンハウス)『全日本女子バレーコンプリートガイド』(JTBパブリッシング)などを企画編集。スポルティーバで西田有志の連載を担当

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る