林琴奈が振り返る、世界バレーで躍動できた理由。同級生セッター・関菜々巳との話し合いも力に (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by FIVB

――3次ラウンド、準々決勝ではまたブラジル戦と対戦して2セットを先取。しかし追いつかれ、フルセットの大激闘の末に惜しくも敗退しました。

林 一度勝ったとはいえ、この試合は勢いを出していかないと勝てないとわかっていました。第1セット、第2セットは、スタッフも含めた全員の勢いがコートに出ていたと思います。

 でも、3セット目あたりから2段トスのミスや、フォローの遅れなど小さいミスが増えてきて、勝負どころで決めきれなかった。そういった細かい部分のミスで負けてしまったように思いますし、1点の重みをすごく実感した試合でした。

――緊迫した試合の終盤、林選手が2段トスを石川真佑選手に上げたものの、スパイクがネットを越えないことがありました。セッターがコート内にいない場面でしたが、プレーを振り返っていただけますか?

林 私はセッターの経験があまりないのですが、それでもしっかりと石川選手にトスを持っていこうと思ったんですけど......焦りが出てしまって少し低くなってしまった。石川選手の打点が生かせなかったので、あそこは余裕を持ってもう少し高くトスを上げたらよかったな、と反省しました。そういった経験を次につなげていきたいです。

――眞鍋政義監督はトスからスパイクまでの時間を0.8秒にすることを目標にしています。中田久美前監督の時から続いて高速化が大きなテーマになっていますが、アタッカー目線として速いトスはいかがですか?

林 私は速いトスのほうが好きなので、苦手ではないですね。

――日本代表でプレーするライトは、特に女子の場合はバックアタックがあまりないポジションです。守備も重視されますが、林選手はバックアタックを打つ場面もありますね。

林 そうですね。ネーションズリーグが終わってから「少し増やしていこう」という話はしていましたが、合わせる期間が短くて精度もあまりよくなかったので、うまく使えてはいませんでした。ただ、ライトからのバックアタックを試合中に1、2本決めるだけでも相手を揺さぶれると思うので精度を上げていきたいです。

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