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日本男子バレーは「石川祐希頼み」から脱却。世界選手権で西田有志や「たつらん」、ミドルブロッカー陣も躍動 (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by FIVB

 続くブラジル戦では、第1セットは日本がリードを奪うも、中盤で追いつかれたところで大塚に代わって石川が投入される。しかし、ブラジルは日本をよく研究してきており、石川が試合後に「ブラジルのディフェンスがすごくよくて、今までだったら決まっていたスパイクを上げられた」と語ったように流れを掴めなかった。

 守備面でも、ブラジルのサーブに崩されたこともあって関田誠大のトスも低くなることが多く、被ブロックが増えた。石川もスキルフルなスパイクで対応することもあったが、"らしくない"ミスが目立つようになった。

 2セットを先取された時点で、セッターを関田に代えて大宅真樹、石川に代えて大塚を戻すといったプランもあっただろうが、関田や石川はコートに残り、途中でオポジットを西田有志から宮浦健人に代えたのみ。それについて、試合後にケガの状態について質問された石川はこう説明した。

「6対6の練習ができるようになってまだ1週間くらいなので、不安がないと言ったら嘘になります。特にセッターとのコンビ合わせがまだ......。でも、おととい(カタール戦)よりは確実によくなっているし、最初から『キューバ戦がカギになる』と言われていたので、そこに照準を持ってくるようにしています」

 大会前の会見でも、フィリップ・ブラン監督は「キューバ戦が最も大事な戦いになる」とコメントしていた。現在の世界ランキングの順位ではキューバ(13位)は日本(7位)より格下だが、以前は「海外クラブでプレーする選手はキューバ代表として活動できない」という規定があり、代表が弱体化していた影響が大きい。2019年にその規定が撤廃されてからは、ロベルランディ・シモンといったスター選手も戻り、力を取り戻しつつある。

 だからこそブラン監督には、ブラジル戦で関田と石川を使い続け、少しでもコンビを合わせようという意図もあったのだろう。そうして迎えたキューバ戦は、スタートから初めて石川と髙橋藍が対角を組んだ。

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