大林素子が切り開いたアスリートの新たなセカンドキャリア。タレント、舞台......今後も「たくさんの夢に向かって全力」 (3ページ目)
蜷川幸雄の舞台にも出演
――バラエティー番組への出演も多かったですね。
「今でこそ、アスリートが引退後にタレント活動をすることは普通になっていますが、当初は『なんでアスリートがそんな番組に出るんだ』と批判もされましたし、セカンドキャリアとして芸能界で活動する前例がなかったので、『スポーツ選手なのに』という目で見られることも多かったです。スポーツに限定されない活動をするようになったのは、男子バレー界では川合俊一さん、女子では私たち世代が走りでしたね」
――2006年には女優として初舞台を踏むなど、演技の方面でも活動するようになります。世界的な演出家・蜷川幸雄さんの舞台にも出演されていますね。
「『演じる』ことは子供の頃からの夢でしたからね。引退後の約10年間でキャスターやタレントとしての基盤は作ることができたので、今度は『本当に個人的に好きなことをしたい』と考えるようになったんです。当時は39歳。当然、演技の経験もつながりもありませんでしたから、本当にイチからのスタートでした。
蜷川幸雄さんには手紙をお送りさせていただいて、直接お会いして、稽古を見学するところから始まって2年後に出演することができました。私は高身長が女優としてはネックだと思っていたんですが、『君は大きいから普通の女優は無理だよ。日本一グロテスクな女優を目指せばいい』と言っていただいて。自分の身長を武器と考えることができるようになりました。
演技をするための努力はまったく苦になりません。うまくいかずに悩むことはありますが、『あの時に比べればマシ!』と思える苦難をたくさん経験してきましたから(笑)。今後もたくさんの夢に向かって全力で、貪欲にやっていきたいと思います」
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