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「私のことを知ってたんだ!」佐藤美弥が驚いた夫・藤井直伸からの初アプローチ。日本代表セッター同士の結婚を語った (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

【五輪前のサプライズ】

 当時はともに日本代表ということもあって、ふたりで会えるタイミングはそこまで多くなかったが、2019年末くらいにつき合いが始まった。セッター同士、どんな話をしていたのか。

「セッターは司令塔のポジションですし、チームではあまり弱いところを見せたくないんです。そういう難しさとか苦しさを周囲に理解してもらうのは難しいんですけど、彼には弱音も吐けて相談もできました。プレーに関しても『このトス、どうやって上げてるの?』『この場面は何を考えてるの?』といろいろ話をしましたし、精神的に支え合っていたのかなと思います」

 逆に同じセッターとして、「なんでこんなトスを上げたの?」といった疑問をぶつけてしまうこともありそうだが、佐藤は「それはないですね」と首を振った。

「よほどありえないミスだったら『どうしたの?』って笑うこともありますけどね(笑)。そんなに気になるようなミスはないですし、あってもその時の気持ちがわかるというか、共感できることが多いです」

 結婚前は、クリスマスにイルミネーションを見に行ったり、お酒を飲んだりとデートを重ね、いよいよプロポーズ。タイミングは東京五輪に向けた日本代表合宿が始まる前で、「向こうにしていただきました」と照れ笑いを浮かべた。

「リーグが終わったあとでしたが、バルーンなどを使ってこっそり私の部屋を装飾してくれていて、すごくびっくりしましたよ。そんなこと、彼はできなそうじゃないですか(笑)。玄関を開けたら封筒が置いてあって、そこに『この手紙を読んで覚悟ができたら部屋の扉を開けてください』と。なかの手紙を見たら『結婚してください』とだけ書いてありました。それで私が扉を開けて部屋に入ったあとは、別で準備していた手紙を読んでくれたんです。

 つき合い始めた頃からお互いに結婚を意識していました。でも、タイミングは『オリンピックが終わって、落ち着いてからかな』と気長に待っていたので、そこも含めて驚きましたね。合宿からオリンピック終了後まで会えない時間は増えるし、私は引退して生活環境も変わる。彼は『そういう状態で不安な思いをさせたくないから、オリンピック前に伝えたかった』と言ってくれました」

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