東京五輪を戦う日本男子バレー注目のアタッカー陣。選考理由、予想される戦術を考える (2ページ目)

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 サウスポーエースの"先輩"である清水は、往年の爆発的な得点力こそなくなったものの、5月2日の中国との親善試合を中継したアナウンサーが「今のゴリ(清水の愛称)はただのゴリではない。進化した"テクニカルゴリ"です!」と言っていたように、海外選手の高いブロックをかいくぐるといった"引き出し"が多いベテランになった。共に2008年の北京五輪に出場した福澤がメンバーから外れただけに、五輪の経験者としてチームを支える役割も求められるだろう。

 大竹は、格上のチーム相手にもハマれば止まらない爆発力があるが、「ハマる」時とそうでない時の波が激しい印象はVNLでもぬぐい切れなかった。西田をメインオポジットとして考えた場合に、2枚替えや流れを変える役割を、中垣内監督は安定感がある清水に求めたように思える。

 アウトサイドヒッターはより激戦になったが、今年度から主将を務める石川はVNLでも別格の力を示した。強打はもちろん、相手のブロックを冷静に見てのブロックアウトなど、当たり前のように得点を量産。加えて、主将としてチームを引っ張っていこうという強いキャプテンシーも感じる。

 サーブレシーブが少し不安とも言えなくはないが、それもイタリア・セリエAでの6シーズンのプレーを経て大きく成長。サーブ、ブロックも含め、"龍神Nippon"のトップの選手であることは疑いの余地がなく、五輪本番でも石川の活躍がチームの明暗を左右するだろう。

 今年度に代表に初招集され、五輪出場の切符を掴んだ高梨健太は、2020-2021シーズンのVリーグでウルフドッグス名古屋の3位浮上に大きく貢献した選手。サーブレシーブにやや難があるものの、サーブ、前衛・後衛でのアタック、ブロックはそれぞれ高いレベルにある。VNLでは持ち前を十分に発揮できない試合もあったが、6月22日のスロベニア戦では中盤以降のオフェンシブなプレーが光っていた。

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