ビーチバレー坂口佳穂、顔面タンコブ負傷のまま、気迫のツアー初優勝 (5ページ目)

  • 小崎仁久●文 text by Kosaki Yoshihisa
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi


負傷を抱えながらも、懸命にボールを追いかけた坂口負傷を抱えながらも、懸命にボールを追いかけた坂口 今シーズンは、すでにワールドツアーでも奮闘している坂口&鈴木ペア。アジアの強豪であるタイやオーストラリアのチームに勝って、バヌアツのチームとも接戦を演じてきた。国内の有力チームにも、徐々に競り勝てるようになっていた。

 まさに順調な仕上がりで、坂口にとっては4年越しの目標であるベスト4入りも時間の問題と思われていた。それが今回、見事目標をクリアし、それ以上の成績を残した。国内ランキング上位チームが出場しなかったとはいえ、ツアー優勝という結果に変わりなく、その戦いぶりは十分に称えられるものだ。

 実は、前週に行なわれたJVAカップにおいて、坂口はゲーム中に頭からコンクリートの壁に突っ込んで負傷していた。額にテニスボール大のこぶができて、今大会の出場も危ぶまれたほどだ。精密検査の結果、大事には至らなかったものの、左目の周りにアザが残ったままプレーする姿は痛々しかった。

 負傷をものともせずに手にした栄冠。満面の笑みを浮かべる坂口の目はまだ腫れが残っていた。だが、かつてない輝きを見せるその目は、勝利の余韻に浸ることなく、早くも先を見据えている。

「課題も出ましたが、このいいパフォーマンスを高いレベルで続けていきたい。これからも、(国内の)主力チームにも勝てるようにがんばっていく」

 坂口&鈴木ペアが2勝目を挙げるのも、それほど時間はかからないかもしれない。

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