VリーグMVPの石井優希は、全日本で木村沙織の後継者になれるか (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 今季はMVPの他にレシーブ賞も初受賞した。サーブレシーブランキング(成功率)は5位。トップ10にはリベロの選手が名を連ねるが、リベロは守備専門の選手のためサーブを受ける数が少なくなり、成功率が高くなる傾向にある。そんな中、石井はトップ10に入った選手で最多となる525本を受けて60.7%の成功率をおさめたのだ。

 これだけ相手チームから狙われれば、石井本人が「嫌だな」と感じるのも無理はない。それを乗り越えてのこのレシーブ賞は、MVPと同等以上の価値があると言っていい。

 かつては木村沙織もサーブでとことん狙われる経験を経て大エースに成長した。今季の石井も多くのサーブを受けながら、攻撃では自らトスを呼び、「ここぞ」という勝負どころで決め切ってきた。

「みんながフォローしてくれることを信じて、ブロックがついても思い切り打っていきました」と語る石井。今年度こそ殻を破って、中田ジャパンのエースとなれるか。今秋に日本で開催される世界選手権に向け、"打ち屋"ではなく攻守にわたる活躍が期待される。

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