木村沙織なき女子バレー界、新鍋理沙と古賀紗理那は世界に通用するか (4ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 もうひとり、初めて世界クラブ選手権に出場するNECの古賀紗理那(20歳)にも注目したい。古賀は、熊本信愛高校時代から「次世代の全日本を背負う人材」として脚光を浴び、NEC入団後、約1カ月でデビューを果たした。2014-15シーズンの久光製薬とのVリーグ決勝では、新人とは思えないめざましい活躍を見せ、「久光製薬が圧倒的有利」という下馬評を覆してチームに10年ぶりの優勝をもたらしている。

 全日本では、サーブレシーブを担うアタッカーとして、2015年夏のワールドカップで活躍。リオ五輪でも主力となることが期待されたが、五輪の世界最終予選と、その後に行なわれたワールドグランプリで思うようなプレーができず、代表メンバーから漏れた古賀は夏場を日本で過ごすことになった。

 傷心の古賀を、NECのチームメイトたちは「お帰り」と迎え入れた。その恩返しと、「こんなに温かいチームでよかった。このチームで勝ちたい」と再起を誓い、今年度はMVPを獲得するなどチームのリーグ優勝に大きく貢献した。

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