【男子バレー】南部ジャパン、銀メダル以上の大きな収穫

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

9月特集 アジア大会2014の発見!(28)

 仁川アジア大会の男子バレー決勝が3日夜行なわれ、日本は直前の世界選手権で6位と躍進したイランに1-3で敗れ、準優勝に終わった。「挑戦者のつもりで挑んだ」(南部正司監督)ゲームだった。今大会で見えた南部ジャパンの収穫と課題とは何だったのか。

シニア大会初出場、18歳の石川祐希が躍動した!シニア大会初出場、18歳の石川祐希が躍動した!

 第1セット、中盤で4点のビハインドから越川優主将のサーブで崩し、清水邦広がスパイクを決め、相手スパイカーにプレッシャーをかけミスを誘発して一気に20-18と逆転。いけるかと思われたが、石川祐希のスパイクがブロックにつかまるなどで、再逆転を許し26-28で落とした。2セット目は日本のサーブがよく走り、25-23で日本がとった。3,4セットは逆にイランのサーブに崩され連続失点を奪われ、19-25、19-25で失った。もっと一方的な展開になる可能性も高かったため、この内容は善戦と言っていい。

 イランとの差は、まず何と言ってもサーブの精度だ。イランはジャンプサーブでもジャンプフローターサーブでも非常に効果的なサーブで攻め続け、しかも、ミスがほとんどなかった。サーブが強力だったゆえに、日本がブロックを食らうケースも増え、被ブロック本数もイランが6に対し、日本は13もあった。

 しかし、開催国韓国に快勝し、イランからセットを奪ったこの銀メダルは南部ジャパン初年度のひとつの成果として評価することができるだろう。前回のアジア大会では金だったが、この4年間でアジアの情勢はまるきり変わった。アジアでトップを争うのは長らく日本と韓国、中国だったのが、イランが頭一つ抜けて世界の強豪国の仲間入りをして、日本はいずれにも歯が立たなくなってしまった。2011年のアジア選手権ではインドにも星を落とした。

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