錦織圭に憧れた「元・天才少女」奈良くるみの思い出 「『SLAM DUNK』を貸してくれたのは、圭くんだった」 (4ページ目)
【5~6年後にグランドスラムで再会】
錦織のスタイルについて、言葉を続ける。
「圭くんのボールを打つ感覚というのが、うまく言葉にできないんですが、やっぱりほかの人とはちょっと違う。フォームだったり、ステップや動きがかっこよくて、IMGのなかでも華やかで目を引く存在でした。
その頃の私が一番真似していたのは、フォアハンドですね。私、姿勢が悪かったんです。ちょっと猫背になって打つ悪いクセがあったんですが、圭くんのフォアをイメージすると、すごくピッと背筋が伸びて、余裕を持って打てるようになった記憶があります」
奈良さんは渡米から約1年半後に、IMGを去り日本へと帰る。一方で錦織は、その後もIMGのなかで評価を高め、世界の頂(いただ)きへと邁進した。
奈良さんと錦織の足跡が再び交錯するのは、5~6年後のグランドスラム会場。テニス会場などで頻繁に顔を合わせるようになったその頃から、奈良さんは再び錦織のプレーをお手本とするようになった。
そしてそのルーティンは、奈良さんが30歳で現役引退する時まで、続いていったという。
(つづく)
◆奈良くるみの視点(2)>>コートで豹変。厳しい要求に「そんなの無理だよ!」
【profile】
奈良くるみ(なら・くるみ)
1991年12月30日生まれ、兵庫県川西市出身。ジュニア時代から「天才テニス少女」として名を馳せ、中学・高校時代も数々の国内タイトルを制す。2009年にプロ転向し、2014年のリオ・オープンでツアー初優勝。2015年にはセリーナ・ウィリアムズ、2016年にはビーナス・ウィリアムズから金星を挙げる。2022年9月の東レ・パンパシフィック・オープンを最後に現役引退。ランキング最高位シングルス32位。身長155cm。
著者プロフィール
内田 暁 (うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。
【写真】日本女子テニス「6人のティーンエイジャー」フォトギャラリー
4 / 4













