今の大坂なおみを元ウインブルドン女王はどう見たのか? 「筋力が足りず、体も重い。課題はリターン」 (2ページ目)
それでもすでに、あらゆる面で全豪オープンの時よりもよくなっています。精神面も非常によさそうですね。(準々決勝の)カロリナ・プリスコバ(チェコ)戦では、試合終盤にやや体力ぎれして、それが100%の状態でサーブを打てなかった理由だと思います。それでも、非常に集中していたし、コート上で何をすべきかわかっていたように見えました」
── ハードコートは彼女が最も得意とするサーフェスですが、5月〜7月はクレー(土)と芝のシーズンが待ち構えています。そこが大坂選手にとっての課題となりそうでしょうか?
「正直、なおみが芝に向いていないとは、私には思えません。なにしろ彼女は、セリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)と比肩する最高のサーブの持ち主なのですから。
そうなると、課題はリターンです。サーブ、そしてリターンという最初の一打でいかに優位に立つかが、芝では何より重要です。その点に関しては、彼女のコーチのウィム・フィセッテがすでに着手していると思います。
対してクレーは、まったく異なるアプローチが必要になります。コート上でスライディングする技術や、多くのショットバリエーションなど。いつもより多くトップスピンをかける必要もありますが、その点に関しても、ウィムは対策を練りはじめているようです。
今の彼女は、苦手なコートや大会をスキップするのではなく、年間を通してプレーすることを切望し、すべてのサーフェスで上達したいと思っているようです。だからこそ、ウィム・フィセッテとの相性は最高だと思います。なぜなら、彼はデータ分析に長け、クレーのように5球以上ラリーが続く状況下で、どうプレーするかをなおみに示すことができるからです。
クレーで勝つには、選手とコーチがしっかり話し合い、戦略を立て、その戦略を実行するための練習やフィットネストレーニングが必要になります。この先、彼女がすべてのサーフェスでどのようなプレーを見せるのか、楽しみです。それは今年だけでなく、この先、5年、7年と。彼女のキャリアは、まだまだ先が長いでしょうから」
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