錦織圭「ずっとモヤモヤがありました」。ジョコビッチ対策で一定の成果も全米OPで敗戦
グランドスラムの今季最終戦・USオープンの3回戦で、錦織圭(ATPランキング56位、8月30日づけ/以下同)は、第1シードのノバク・ジョコビッチ(1位、セルビア)に、7-6、3-6、3-6、2-6で敗れ、ベスト16に進出することはできなかった。
約3年ぶりに錦織圭はジョコビッチから、1セットを取ったものの、勝ちきるのは難しかった だが、錦織がジョコビッチに16連敗中で迎えたこの試合は、スコア以上に内容の濃く、高いレベルのテニスが交錯した。興味深かったのは、両者に残った試合への印象の違いだ。直近の東京オラリンピックで圧倒された錦織は、ジョコビッチ対策を試みた。
「いつもの自分の速い展開でプレーするという感じではなかった。でも、悪くはなかったですね。ミスも誘えましたし、じっくりラリー戦をしてみようというところが、今日はよかったのかなと」
一方、ジョコビッチは、ベースライン付近で早い展開から深く繰り出すグランドストロークに錦織らしさを感じたという。
「彼(錦織)はベースラインの近くに立ってプレーしていました。あまりミスをしない。いつも彼はリスクの高いテニスをします。僕にあまり時間を与えなかったし、居心地よくさせないようにプレーし、守備的にさせようとしました」
両者の思惑が交錯する中、第1セットでは、2人が鏡のように、似たストローク戦を展開した。お互いワンブレークでのタイブレークの末、錦織が第1セットをもぎ取ったが、葛藤もあった。
「やりづらさというか居心地の悪さは若干自分の中ではあって、やっぱり早い展開でどんどん打っていきたいのが基本自分のテニス。それを変えたところは我慢が必要というか、そこを耐えるメンタル的なところは、ずっとモヤモヤがありました」
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