ベストのプレーができていない錦織圭。東京五輪までは「立て直すことしかできない」 (2ページ目)
「そもそも、自分のフォアがまったく入らなかった。今までにないぐらい入らなかったので、リターンのチャンスも最初のほうはほぼなかった。ずっとつらい感じでゲームが進んでいましたね」(錦織)
本来リターンがいいはずの錦織が、サーバー有利なグラスでの試合とはいえ、第3セット第6ゲームまで一度もブレークポイントをつかむことができなかったのは驚きだった。試合序盤でブレークチャンスが握れるはずという目論見が崩れる一方で、トンプソンのファーストサーブでのポイント獲得率は第1セットで87%、第2セットで94%と高く、錦織につけ入る隙を与えなかった。
そして、リターンの不調は、セット終盤でサービスゲームと落とすという負の連鎖をもたらした。
「多少あったかもしれないですね。リズムがなかなか作れなかったので。(トンプソンの)しっかり入れてくるミスをしないリターンも、ちょっとずつ自分にプレッシャーがかかっていたのかもしれないです」
もちろんセットを左右する終盤のサービスゲームでは、常にプレッシャーはかかるものだが、スピードではなくプレースメント勝負となるサーブを駆使する錦織は、緊迫した展開になればなるほどキープするのが簡単ではなく、グラスコートではなおさら如実になる。
第3セット第2ゲームで先にサービスブレークを許した錦織は、1-4まで追い詰められたが、勝利を意識し始めたトンプソンのミスを見逃さずに、第3セットを取り返す意地を見せたが、サーブ力の差を覆すことは最後までできなかった。
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