第5セットは錦織圭の「領域」だ。「自分すごいなと思います」 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

「あの場面は、つらかったですね」

 試合のおよそ1時間後。キャップを前後ろにかぶり、疲労と安堵の色を顔に浮かべる錦織は、第3セットを落とした時の心境を素直に吐露しつつ、こう続けた。

「それでも、こうやって勝つっていうのは、そこは自分すごいなと思います」

 その言葉に、誇張や虚勢の響きはまるでない。自分の未知なる一面を知って驚いている......そんな表情と口ぶりだった。

◆大坂なおみが投じた一石。外国人記者が会見で感じた違和感とは何か>>

 初戦の5セットマッチを戦い終えた時、彼は「テニスって大変だなと、最近とくに思う」と言った。そして2回戦を終えた今、自身のなかに宿る強さを発見した。

 戦うごとに悩み、新たな気づきも得ながら、2年ぶりとなるグランドスラム3回戦へと向かっていく。

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