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大坂なおみの戦い方が変わった。全豪OPで注目したい「分析力」

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

「今日の試合は、対戦相手を分析しながら戦うのが楽しかった。彼女とは初対戦だったから」

 試合後の大坂なおみは、うれしそうに顔をほころばせた。

 全豪オープンの前哨戦として、同会場で開催されたWTAツアー大会「ギプスランド・トロフィー」。そこで3つの勝利を連ね、昨年の全米オープンシリーズから続く連勝(不戦敗を挟む)を14に伸ばした大坂は、「この大会を戦えてよかった。相手を分析するいい練習になったから」と続ける。

 試合を重ねるごとに、それがうまくなっている気がするの----。そう言い彼女は、やや自嘲気味に笑った。

2年ぶりの全豪オープン優勝に挑む大坂なおみ2年ぶりの全豪オープン優勝に挑む大坂なおみ 大坂が準々決勝で対戦したイリーナ=カメリア・ベグ(ルーマニア)は、ボールを捉えるタイミングも打つフォームもやや独特な、ショットのコースが読みにくい選手。大坂も立ち上がりは、その球質やスピード......とくにサービスに苦しめられたと認めている。

 ただ彼女は、それを苦痛ではなく、パズルを解くような楽しみへと転換した。

「第1セットで得た様々な情報を組み合わせ、第2セットでは自分が何をすべきか、明確なプランを思い描いてプレーができた」と言い、現に第2セットは相手のサーブコースを読み切ったかのように、好リターンを連発。終盤は5ゲーム連取の"電車道"で、7−5、6−1の勝利を手にした。

「相手を分析できた」ことを勝因に上げたのは、実は3回戦も同様である。

 この時の対戦相手は、同世代のケーティ・ボールター(イギリス)。リスクをかえりみない一発必中の武器を引っさげ、金星狙いで向かってくる相手に恐れはない。

 その捨て身とも言える攻撃に、第1セットは押し切られた。だが第2セットに入ると、大坂は明らかにサービスゲームの組み立てを変えはじめる。

「第2セットに入って緊張が解け、相手を分析できるようになった。彼女はフォアハンドがすごくいいので、とくにセカンドサーブは相手のバックに打つようにした」

 確かな分析にもとづき立案した策を、彼女は遂行し、勝利する。スコア的には逆転勝ちではあるが、その内訳は「完勝」と言えるだろう。

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