西岡良仁らプロテニス選手たちの思い。苦境に対するそれぞれのすごし方 (4ページ目)

  • 神 仁司●取材・文・写真 text&photo by ko Hitoshi

 こう語る西岡と同じように、自宅でできるトレーニングに力を注いでいる選手も多いが、ツアー再開の目途がたっていないだけに、全選手に共通しているのは、モチベーションの維持が簡単ではないということだ。奈良は次のように語る。

「いつツアーが再開されるかイメージがつかないので、どこに向けて頑張ればいいのかわからないという難しい状況ですが、体を動かしてトレーニングをしていると自然とモチベーションも維持できている気がします」

 新型コロナウイルスのパンデミックによって、東京2020オリンピックが1年延期になったことを一番残念に思っている日本選手の1人が、西岡だ。好調を維持してATPランキングを自己最高の48位に上げ、24歳で初のオリンピック出場が目の前に迫っていただけに思いは複雑だ。

「正直残念な気持ちはあります。今年はスタートがかなりよく、ランキングも上がり、出られる可能性が高かったため、初のオリンピックを経験したかった気持ちはあります。しかし、来年開催を予定していることをうれしく思い、ポジティブに捉え、今年同様、来年出られるようにまた頑張ろうと思います」

 また、奈良のように「1年延期はまたチャンスをもらえたと前向きに捉えています」と未来志向の選手もいれば、一方で、「この状況の中、来年の開催も難しいのではないかと不安に思います」と慎重に見ている尾崎のような選手もいる。

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