錦織圭、30歳になって心境の変化。「残された時間」に何を思う
「年齢に関しては、マイナスしかない」
先日、テレビ番組で放送された松岡修造氏によるインタビューで、錦織圭がそう答えるのを聞き、軽い衝撃を受けた。
錦織圭も昨年12月に30歳となった 彼が、流れ行く時間と自らの相関について、ここまで実感のこもった言葉を公(おおやけ)の場で口にするのは、初めてのように思ったからだ。
18歳での衝撃的なATPツアー優勝で世界に名を知らしめた彼も、30歳を迎えて半年が経った。それも昨年10月に右ひじにメスを入れ、実戦から長く離脱したまま、このコロナ禍による自粛期に突入している。
現時点で、世界のテニスツアーは7月いっぱいまでの中断が確定しており、8月以降に再開されるかも疑わしい。錦織は昨年末、「30歳になって、残りの......引退のほうが、どちらかというと近くなってきた」と、自身のキャリアを客観視もしていた。
それは、単なる年齢的な区切りのみならず、自身より10歳近い年少者たちが隊列を成して追い上げる足音を、耳に捉えたからでもあるだろう。
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