2020.06.01

錦織圭、30歳になって心境の変化。
「残された時間」に何を思う

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

「年齢に関しては、マイナスしかない」

 先日、テレビ番組で放送された松岡修造氏によるインタビューで、錦織圭がそう答えるのを聞き、軽い衝撃を受けた。

錦織圭も昨年12月に30歳となった 彼が、流れ行く時間と自らの相関について、ここまで実感のこもった言葉を公(おおやけ)の場で口にするのは、初めてのように思ったからだ。

 18歳での衝撃的なATPツアー優勝で世界に名を知らしめた彼も、30歳を迎えて半年が経った。それも昨年10月に右ひじにメスを入れ、実戦から長く離脱したまま、このコロナ禍による自粛期に突入している。

 現時点で、世界のテニスツアーは7月いっぱいまでの中断が確定しており、8月以降に再開されるかも疑わしい。錦織は昨年末、「30歳になって、残りの......引退のほうが、どちらかというと近くなってきた」と、自身のキャリアを客観視もしていた。

 それは、単なる年齢的な区切りのみならず、自身より10歳近い年少者たちが隊列を成して追い上げる足音を、耳に捉えたからでもあるだろう。