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錦織圭、30歳になって心境の変化。
「残された時間」に何を思う (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO


 時間は......とくにアスリートにとっての時間は、多くの側面で"追う者"の味方だ。

 錦織はこれまで長く、"追う者"の側に身を置いていた。年齢的には中堅やベテランに差しかかる20代半ばから後半を迎えても、彼の上位には常に、8歳年長のロジャー・フェデラー(スイス)を筆頭に年上が君臨していたからだ。

 錦織がトップ10入りした2014年以降の年間最終ランキングを見ても、2014年と2015年は彼より上位に年少者はいない。5位で終えた2016年になって初めて、1歳年少のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)が3位に食い込んできたくらいだ。

 その潮流に明確な変化が生まれたのが、手首のケガによりシーズン後半を欠場した2017年。この年は、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)やアンディ・マリー(イギリス)らほかの上位選手たちも戦線離脱したことにより、年間最終トップ10のうち6選手が錦織より年少者だった。

 とりわけ異彩を放つのが、4位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)。ふたつのATPマスターズ1000タイトルを手にした彼は、この時、弱冠二十歳だった。

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