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錦織圭、30歳になって心境の変化。
「残された時間」に何を思う (5ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO


 実際に30歳が近づいた1年前も、「今のところ、年齢はまったく気にしてないですね。体力的な衰えや疲れも感じてないので。20代前半の頃は30歳くらいでやめるのかと思ってましたが、今のところまったくない」と、いまだ心身ともにテニスを渇望していることを明言した。
 
 ただ同時に、若手が猛スピードで経験を積んで結果も残す現実が、これまでの"追う者"の視座で見ていた世界模様を反転させた側面もあるようだ。

「数年前までは、30〜40位くらいの選手にあまり脅威は感じなかったが、最近は70〜80位の選手も、誰に勝っても不思議ではないレベルになっている」

 変わりゆく現状をそう分析したのは、ちょうど1年前の全仏オープンの時であった。

 あるいは昨年のATPファイナルズを、21歳のステファノス・チチパス(ギリシャ)が26歳のドミニク・ティエム(オーストリア)を破って制したことを受け、「今年は例年と違う顔ぶれでしたが、またレベルが上がってきた。とくに決勝に行ったふたりは伸びている......レベルがちょっと違うなと思いました」との実感も漏らした。

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