コロナ後の展望。テニス選手会会長が語る「国内プロリーグ」の可能性 (4ページ目)
選手会で上がった声が、状況を直接的に動かした事例もある。
たとえば国内では、3月の時点で日本ランキング対象大会の開催の判断は、それぞれの主催者に委ねられていた。だが、国内の移動も徐々に規制されるなか、それでは地理的な不公平感が出てしまう。何より、自粛と渇望との葛藤のなかで、感染者が出るリスクが高まることは否めない。
そこで、選手会として日本テニス協会に「すべての大会を中止してほしい」との要望を出したところ、すぐに反映されたのだ。そのように、ひとつひとつ実績を重ねることで、選手たちの意識や意欲も上がっている。
約18年にわたって世界を転戦し、数々の浮き沈みも経験してきた添田は今、テニス界をいくぶん俯瞰してもいるようだ。
テニスの美点は、世界ランキングという一元化されたシステムのもと、世界のいかなる地でどの国の選手が戦おうとも、同じ基準で評価が決まる点にある。
だが、未知のウイルスが世界的大流行するなかでは、その美点がツアー再開を妨げる最大の要因となっているのも確かだ。
4 / 6