フェデラーが最前線で感じるテニスの可能性「今後もゲームは進化する」 (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 あとは日本代表チームが参加する男子国別対抗戦デビスカップ・ファイナルズ(11月18日~、マドリード)に間に合うかどうかだ。日本は、Aグループのラウンドロビン(総当たり戦)で、過去10回の優勝があり前年準優勝国のフランスと、2010年優勝国でノバク・ジョコビッチを擁するセルビアと対戦することが決まっており、もし日本が錦織抜きで戦うとなると、相当厳しい戦いになることが予想される。

 残念ながら今回、日本でのフェデラー対錦織は実現しなかったが、ふたりが現役のうちに対戦を見るチャンスはまだあるはずだ。何より錦織がフェデラーとのプレーを再び実現させたいと強く願っているのだ。

「フェデラーだけは、ずっとやっていてほしいなって。昔から自分の憧れでしたし、今も目指している選手なので。フェデラーとはいつでも試合したいなと思っています」

 フェデラー自身は、長い間テニスの最前線でプレーしてきてひしひしと肌で感じていることがある。

「自らの体験もふまえ、実際テニスのゲームがどんどん進化していくことを感じています。これは今後も、未来に向かって進化し続けていくと思います。"これ以上テニスのゲームは進化するのか?"と発言する人もいますが、私の答えは常に"イエス"で、100%進化していくという自信を持っています」

 進化し続けるプロテニスの中で、世界の潮流に遅れをとることなく、錦織は戦っていかなければならない。これから30代になりさらに年齢を重ねていくにつれて、フィジカル的にもメンタル的にもそれは決して簡単なことではなくなっていくだろう。

 だが、38歳になってもなおフェデラーが若い選手から刺激を受けて、向上心を持ち続けているように、錦織もまた、フェデラーの存在をいい刺激にしながら、今後待ち受ける厳しい戦いに挑んでいってほしい。

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