世界女王であり続ける経験の積み重ねが、大坂なおみをさらに強くする (2ページ目)
「意気消沈しているとは言いたくない。疲れたことを言い訳にしたくもない。ただ、自分のプレーにとてもがっかりしているし、もっといい結果が残せていたらとは思います」
こう振り返った大坂は、全仏期間中に世界1位という数字を気にしないように心がけながらも、「夜はあまりよく眠れていなかった」と本人が言うように、ナンバーワンとしてのプレッシャーを感じながらのプレーだった。世界女王になった選手にしかわからない重圧や孤独感。それは、経験を積みながら乗り越えていくしかないのだろう。大坂は顔を上げてこう語った。
「自分のベストクレーシーズンだった。昨年と比べて、ラリーを続けようとしたことは、よりよくなっていたと思う。(全仏)3回戦はまったくダメだったけれど、他の試合はよかった」
大坂はボールの軌道が高くなるように、より強いトップスピンのかかった重いボールを打つことで、レッドクレーでのグランドストロークに対応しようとした。だが、フロリダのハードコートとグリーンクレーコートで育った大坂が、レッドクレーでのプレーを一気に上達させることはやはり難しく、ヨーロッパのレッドクレーで子供の頃からプレーをしている選手にアドバンテージがあると言える。
今後、大坂はレッドクレーでの試合経験を積んでいく過程で勝利を重ね、確固たる自信をつけていけるかどうかが重要になる。そして、まだ21歳の彼女には、レッドクレーに適応するための時間が十分残されている。
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