2019.03.22

大坂なおみは記者対応でも成長。
世界1位の環境にも慣れてきた

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

「あなたたちは、すごく細かいことを気にするのね?」

 彼女が口にしたその言葉が、新鮮で無垢な光とともに胸に残ったのは、3年前のマイアミ・オープンだった。

 当時、18歳。世界ランキングは104位。ワイルドカード(主催者推薦)を得てグランドスラムに次ぐ格付けの大会に出場した大坂なおみは、2回戦で第14シードのサラ・エラニ(イタリア)を破り、このステージで戦う力が自分にはあると証明してみせた。

大勢の記者に囲まれながら大会への意気込みを語る大坂なおみ その試合後の、会見の席である。

 サービスゲームでのポイント獲得率が高かったこと、あるいは、この大会のコートの特性や相性について聞かれた18歳は、瞳を不思議そうに丸くしながら、「そんなこと、まったく気にしてなかったわ。私にとって、テニスはテニス、ハードコートはハードコートだもの」と答えたのだ。すると、そのやりとりを見ていたイタリア人記者が、笑い声を交えながら大きな声で指摘した。

「あなたは、こういう状況に慣れなくちゃいけないわ! だってこの手の質問って、記者が偉大な選手にする、とっても典型的な内容ですもの。あなたは偉大な選手になる。だから、そのうち慣れないと!」

 そんなものなのかな……そう不思議に思ったのだろうか。彼女は首をかしげて、少し笑った。キービスケイン島のテニス専用スタジアムに設置された、小さなインタビュールームでのことである。

 それから3年の年月が流れ、大坂なおみは64,767人収容可能なアメリカンフットボール・スタジアムのスイートルームで、大勢の記者に囲まれていた。

 今年からマイアミ・オープンは、会場をNFLのマイアミ・ドルフィンズがホームとするハードロックスタジアムに移して開催される。その大会開幕に先駆けてシード選手が行なう会見で、彼女は集中砲火のように向けられる種々の質問に、丁寧に答えていた。

「新しい会場のコートは、どんな感じ?」