もうひとつの全米OP物語。「華の94年組」小和瀬望帆はNYにいた (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki

 それでも、選んだ道に後悔はない。迷いそうになったときは、両親や姉、恩師たちから送られた「選んだ道が正解になるよう、力を尽くせばいい」の言葉が道標となった。

「いや~、いろんな人に支えられたなって思います。テニスを16年やって、それだけは......同期も含めて、本当に人には恵まれました」

 明るく断言する声に、感謝と懐かしさの音が響いた。

 就職先としてマスメディアを選んだのは、自身が取材を受けてきた経験から、その世界に馴染みがあったためでもある。ただ、20年後に何をしているかといえば、それはまだわからない。日米どちらに住むかも含め未来は不確かだが、それでもひとつだけ、見えていることがあるという。

「最終的には、テニスやスポーツに関わる仕事をしているんだろうなという......そんなイメージはあります」

 テニスに導かれた人生だからこそ、テニスに恩返ししたい――。それが、今の彼女が抱く夢だ。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る