2017.10.09

テニス界の超秀才・ラオニッチが語る、
錦織圭と男子ツアーの近未来

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「僕が最後に来たときと比べると、ずいぶんとたくさんの建設中のビルがあるね。東京オリンピックへの準備が進んでいるのかな……」

 長い足を折り曲げて乗り込んだ車内から、流れる湾岸線の景色を眺めつつ、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)は感慨深げにつぶやいた。

楽天オープンに参戦するために来日したラオニッチに話を聞いた 2014年以来、久しぶりに訪れた東京――。

 今季の前半はハムストリングを痛め、複数の大きな試合や大会の欠場を強いられた。夏からは左手首の故障が悪化し、全米オープン直前に手術を決意する。

 その手術からの完全復帰を、そしてシーズン終盤戦の巻き返しを期する長身カナディアンに、種々の思いが巡る胸中を明かしてもらった。

―― 全米オープン開幕の4日前(8月24日)に左手首の手術をしたと聞きました。その経緯を教えていただけますか?

ミロシュ・ラオニッチ(以下:ラオニッチ) 手首の痛みはここ数年間、抱えていたものなんだ。数日痛みが続くこともあれば、数ヵ月は痛みを感じないこともあった。でも、今年のウインブルドン準々決勝の前日に、今までとは異なる……もっと深刻な痛みを感じたんだ。