「泣かない」を守れなかった大坂なおみ。
メンタルも技術もまだ改造中 (3ページ目)
カネピはフラット系のボールを強打して、先手を打とうとすることが多かったが、大坂とよく練習をする日本テニス協会ナショナルコーチの吉川真司氏は次のような指摘をした。
「カネピのボールは、今まで大坂が経験してきて、自分がコントロールしきれるタイプのボールではなかったというのもあったと思います」
つい3年前までの大坂のプレーといえば、強打によってウィナーを奪うか、あるいはミスになるかという荒削りなものだった。だが、今は吉川コーチやデビッド・テイラーコーチとの取り組みよって、大坂のプレーに改良が加えられている。
サーブに関してはサービスエースの量産を狙うわけではなくなり、またグランドストロークでは強打一辺倒ではなくて、攻撃的に思い切り打つショットとつなぐショットのバランスを考慮するようになった。
「大坂はベースラインでステディーなストロークを打ちつつ、パワーとスピードを持ち合わせている。ストロークは単純に一発で押すだけでなく、きっちり自分の打ちたいところに打つ精度が大切。全部力んで打つのではなく、たまに遅いボールを交ぜたりする」
こう語る吉川コーチはサーブとレシーブを使って、大坂が先に主導権を取ることも重要であるとつけ加える。特にサーブでは上半身のパワーだけでなく、ボールとのインパクトに向けて下半身や足を使って、より効率的に力を伝える方法を大坂と取り組んでいる。これは大坂が痛めがちな腹筋のケガの防止にもつながると期待する。
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