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元世界1位ヒューイットが錦織圭を諭す。
「自分の力を信じるべきだ」 (5ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 チャンコーチもハードコートシーズンへの期待は大きいが、ひとつずつ目の前の目標をクリアさせてから錦織をステップアップさせたい考えだ。

「夏に備えていいアプローチをしたいですね。時間があるので、休養をとってからトレーニングをさせ、再び圭をいい状態にして、(マスターズ1000大会の)モントリオール、シンシナティ、そしてUSオープンに備えたい。圭はマスターズ1000のタイトルに近づいていると思うので、あまり先のことを見過ぎず、グランドスラムの初タイトルのことは考え過ぎないようにしています。たとえ長い道のりでも小さなステップを踏んでいかないといけません」

 また、錦織はUSオープンまでの北米ハードコートシーズンでの成績次第で、ATPファイナルズ(昨年までのワールドツアーファイナルズ、2017年から大会呼称変更)に4年連続で出場できるかどうかが決まってくるだろう。

 シーズン上位成績8人しか出場できないツアー最終戦を争うRace to Londonで、錦織は13位(7月3日付け)につけているが、秋になる前に出場圏内に入っておきたいところだ。

「試合であまり勝っていないので、大きな自信が試合の中で生まれてこなかった。それで思い切りのいいプレーができていない。少しずつ自信がついてくれば、またプレーも変わってくると思う」(錦織)

 ウインブルドン後、ATPランキングを8位に戻した錦織は、7月31日に開幕するATPワシントンD.C.大会にはワイルドカード(大会推薦枠)を得て、再始動する予定だ。昨年までの強靭なメンタルを取り戻し、USオープンで優勝戦線に加われるような強さを発揮できるのか、プロ10年目の錦織の力が問われている。

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