元世界1位ヒューイットが錦織圭を諭す。
「自分の力を信じるべきだ」 (3ページ目)
この錦織の醜態を見て、バウティスタ アグートは自分の勝利を確信しただろう。以前の錦織なら相手に隙を見せるようなことはしなかった。2年前ならば、大事なポイントで、錦織が元来持つメンタルの強さが、相手からすれば、憎らしいほどに発揮されていた。もちろん錦織も人間であり、ずっといいコンディションでプレーすることは不可能であるが、それを差し引いても、不安定なメンタルに起因する最近の錦織の迂闊(うかつ)な行動は目に余る。
錦織がラケットを投げたことについて、チャンコーチは多くを語ろうとはしなかった。
「実際そのことについては少しずつ話し合っています。フレンチオープンではラケットを壊しましたからね。ただあの時、圭がどんな感情を持っていたか、自分は答える立場にありません。あくまで圭の性格によるところです」
元世界ナンバーワンで、2001年USオープンと2002年ウインブルドンを制したレイトン・ヒューイット(オーストラリア、36歳)は、錦織がグランドスラムで優勝するのに必要なのは、メンタルによるところが大きいと指摘する。
「たぶん大舞台で自分の力を信じることがキーなんじゃないかな。2014年USオープン決勝で、(マリン・)チリッチに負けたけど、かけがえのない経験をした。たしかに圭はグランドスラムに勝てるポテンシャルを示した。大きな仕事をやってのけたのだから、大舞台でベストプレーヤーを相手にしても倒すことができると、圭は信じるべきだ」
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