手術とリハビリに耐えて、
46歳・伊達公子がコートに戻ってきた理由 (2ページ目)
振り返れば、2016 年1月中旬にオーストラリアン(全豪)オープン予選1回戦で敗れた時、すでに亀裂のあった左ひざの半月板をプレー中にさらに悪化させて断裂。伊達が現役時代に一度もしたことがなかった手術を余儀なくされた。
まず2月16日に、数多くのテニス選手の相談を受けてきた斉藤明義医師による内視鏡手術を受け、左ひざの外側の軟骨がすり減っていることが判明し、浮遊体を除去したものの、半月板の縫合は行なわれずに閉じられた。選手としてカムバックするには、再手術が必要という、伊達にとっては厳しい診断が下された。
そして、4月21日に神戸大学医学部附属病院で黒田良祐医師による2回目の手術をし、大腿骨、脛骨の両軟骨損傷による骨軟骨移植とマイクロフラクチャー(軟骨を再生させるために細かい切れ目を入れる手術)、半月板の縫合を行なった。
5月からは、JISS(国立スポーツ科学センター)に移り、1年近いリハビリに努めてきた。
伊達が全豪予選敗退から松山のコートに立つまで1年3カ月を要したが、復帰できると信じ続けるのにはあまりにも長い期間だったはずだ。正直なところ、再びコートに立てることをずっと信じ続けられたのだろうか。
「当然信じたいという気持ちは持っていましたけど......。ここまで日常生活で痛みなくこられて、テニスもちょこっとできるというレベルでいうならば、普通に考えれば問題はないです。けど、アスリートレベルで考えると、まだまだ足りない部分はあるので、その中で今日やり終えないと、実際、本当にやり切れたという思いは生まれないと思っていた。
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