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錦織圭、プレーで「試行錯誤」できる
10年目のマイアミは我がホーム (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 同年の開幕直前には、憧れのロジャー・フェデラー(スイス)の練習相手を大会会場で数日間務めたこともある。翌2008年にはシングルスでのデビューも果たし、以降、ひじの故障でシーズンの大半を欠場した2009年をのぞけば毎年出場している。

 その間、2012年にはラファエル・ナダル(スペイン)相手に、自分の攻めのテニスを貫く納得の敗戦を喫した。2014年には準々決勝でフェデラーを破り大観衆の喝采を浴びるも、準決勝のノバク・ジョコビッチ(セルビア)戦を股関節故障のため棄権する、無念の記憶もここに刻んだ。それら重ねた経験と思い出は、今大会で区切りの10年に達する。日ごろは数字や過去には無頓着な錦織が、このときばかりは"ひと昔"の年月に想いを馳せ、感慨深げに言った。

「10年の間にたくさんあったし、10年というのは長い響き。でも、新鮮な1〜2年目の思い出はよく残っているし......すごく速いなという印象はあります」

 その錦織にとっての「10年目のマイアミ・マスターズ」初戦(1回戦はシード免除の2回戦)は、雨まじりの強風がコートを巻くように吹きすさび、決してプレーしやすいとは言いがたい条件のなか行なわれた。そのような環境が線審たちのジャッジを困難にするのか、試合序盤から錦織がビデオ判定(チャレンジシステム)を行使しては、そのたびに判定は覆る。

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