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背は低いが立場は高い。
錦織圭のツアーファイナルズ写真が語るもの (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

「ロッカールームの豪華さや選手たちへの対応など、他の大会にはない素晴らしい雰囲気で......」

 今回が初出場の23歳は、喜びと戸惑いの色をも隠せぬ、幾分うわずった声で言った。

 錦織も昨年までは、このティエムと似たような立場であった。2年前の初出場時は、自分専用のロッカールームやスタッフから受けるVIP対応の数々に、純粋な喜びと驚きを募らせた。

 昨年は出場選手中、唯一の"非ヨーロッパ選手"であり、年齢的にも最年少。「決して、居心地がいいわけではないですね」と苦笑する面差しは、まだどこか新参者の匂いを残していた。

 その錦織が、3年連続出場となった今年は、「当たり前のように感じていますね、ここにいるのが」と、ことさら気負うふうもなく、さらりと言う。

「3年目ですし、今回は早めに出場が決まったのもありますし。毎年、ここに来るのが目標ではありますが、だんだん目標も上がっていく。1年目はわからないことだらけだし、ここにいること自体にすべての幸せを味わっていたけれど、今は、ここにいないといけない」

 これまでは、出場確定が直近の大会までもつれたが、今年は約1ヵ月前に決めていた。10月下旬には、過去2年は出場を見送ったバーゼル大会にも出場したことで、「2大会こなせたので、準備的にはしっかりできている」との自信と手応えも得ている。

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