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背は低いが立場は高い。
錦織圭のツアーファイナルズ写真が語るもの (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

 また、日ごろのツアー大会では直前まで対戦相手を確認しない錦織ではあるが、半ば強制的に先々の対戦相手がわかってしまうツアーファイナルズのグループ戦のフォーマットにも、「いろいろと考えながら練習できるので、早く対戦相手を知るのもいいかなと思います」と馴染んだようである。

 その初戦の相手は、今季の対戦成績で1勝1敗と星を分け合う世界3位のスタン・ワウリンカ(スイス)。「しなきゃいけないことは、しっかり頭に入っている。ラリーを組み立てながら、アグレッシブにプレーしたい」と、作戦や方向性は固まっているようだ。

 全米オープン王者のワウリンカ、2週間前のバーゼル大会を制した好調マリン・チリッチ(クロアチア/世界7位)、そして新生世界1位のアンディ・マリー(イギリス)からなる錦織のグループは、地元メディアも「恐怖のグループ」と呼ぶ強者の群れ。しかし当の錦織は、「どちらにしろ、タフかなという思いはあるので、そんなには気にしていないです」と、特に意に介する様子はない。それは、彼が目指す地点に上り詰めるには、いずれはすべての選手を倒さなくてはならないと悟っているからなのだろう。

 冒頭で触れた写真が象徴的なのは、体格のことだけではない。ランキング5位として8選手のほぼ中央に立つ錦織は、年齢では6番目ながら、「ツアーファイナルズ出場回数」では4番手だ。

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