USオープン初制覇を狙う錦織圭がリオ五輪後に痛感したマリーと自らの差 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 日本男子テニス選手の五輪でのメダルは、1920年アントワープオリンピックで銀メダルを獲得した熊谷一弥以来、実に96年ぶりだった。

 マイケル・チャンコーチも、錦織のリオでの活躍ぶりを高く評価した。

「(メダル獲得は)もちろん素晴らしい成果だと思います。ラファ(ナダル)を破ることは決して容易なことではありませんでしたからね。私は誇りに思いますし、今回のオリンピックは、圭にとって成功と言っていいと思います」

 続くマスターズ1000・シンシナティ大会(8月14~21日)では、さすがに疲弊して3回戦で敗れた錦織だったが、今季最後のグランドスラムであるUSオープンに向けて順調に調整をしている。

「リオの後、体力的にまったく持たなかったので、シンシナティはしょうがなかった。終わってから、しっかり1週間休めた。これからまた長い2週間が続く。やっぱりピークをこのUSオープンに持っていきたかったので、その意味ではいい準備ができていると思います」

 USオープンで、錦織(7位、8月22日付け、以下同)は、ロジャー・フェデラー(3位)の欠場によって、ひとつ繰り上がって第6シードになり、ドローのボトムハーフに入った。

 1回戦の対戦相手は、ベンジャミン・ベッカー(97位・ドイツ)。過去の対戦成績は錦織の2勝1敗。錦織が勝ち上がると、2回戦では、予選勝ち上がり選手同士の対戦の勝者と対戦する。

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