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錦織圭のライバルは五輪欠場。
ポイント荒稼ぎで勢力図は激変? (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 ウインブルドン・ベスト4のフェデラーは、「これから先のスケジュールを考えたとき、もう少し休養が必要だと判断した」と説明し、ナダルは、「準備期間が足りない」ことを理由に挙げている。しかもフェデラーはその後、リオ五輪のみならず、今季の残りすべての大会を欠場することを発表した。

 今なおランキングは3位と4位につけるふたりではあるが、34歳のフェデラーは今年2月にひざを手術し、その後は腰の痛みにも苦しんできた。30歳のナダルは左手首に深刻な負傷を負い、全仏3回戦を棄権して以来、ツアーに姿を現していない。オリンピックのメダルは、テニス界に現存するタイトルや栄光をほぼすべて手にした両雄にとって、ツアーを犠牲にしてでも掴みたい栄誉だが、過密化するスケジュールはフィジカルに不安を抱えるベテランたちを一層、困難な状況に追い込んだ。

 その一方でオリンピックに背を向け、この世情を「下剋上の機」ととらえるのが、ラオニッチやティエムら勢いのある若手勢だ。現在ランキング50位以内に22歳以下の選手は、9位のティエムを筆頭に19位のニック・キリオス(オーストラリア/21歳)、23位のルカ・プイユ(フランス/22歳)、そして25位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/19歳)と4名いるが、このうちズベレフ以外の3人がオリンピックを欠場するのも興味深い。

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