2016.07.29

錦織圭のライバルは五輪欠場。
ポイント荒稼ぎで勢力図は激変?

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

「これからさらに、少しずつ変わっていくのかな? ラオニッチだったり、ティエムだったり、ゴフィンも強くなったり……。少しずつ変わり始めているのは見えています」

 それが今年7月中旬の時点で、錦織圭の目に映っている「男子テニス界の景色」であった――。

過酷なスケジュールのなか、リオ五輪に挑む錦織圭 左脇腹の痛みのため、4回戦途中でコートを去る苦渋の決断を下したウインブルドン。だが、自らが戦地を去った後も、錦織は大会の動向にそれとなく目を向け、地殻変動の音を耳で拾っていたという。

「自分にとって、あんまりいいことではないですが……」

 そう認めるほど現状に焦燥感を覚えるのは、具体的に名を挙げた3選手……とりわけ、ウインブルドン準優勝のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)と、全仏ベスト4のドミニク・ティエム(オーストリア)の足音を、すぐ背後に聞いているからに他ならない。

 ランキング上でもラオニッチは錦織に次ぐ7位で、ティエムは9位。今年1月からの獲得ポイントのみで算出する「レースランキング」では、ラオニッチが3位で5位の錦織の先を行く。そして錦織の背にピタリと胸をつけるのが、今季すでにツアー4勝を挙げている22歳のティエム。この2選手が、「少しずつ変わり始めている」景観の中核にいるのは間違いない。