リオ五輪はどうなる?錦織圭「筋肉が切れるまで...」も無念の棄権 (4ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「松山くんが出ないのを聞いて、僕も(オリンピックに)あんまり出たくなくなった。ちょっと会えるのを楽しみにしていたので。夏が大変なので、そこに向けて準備をしっかりしたい」
 
 錦織は今回のウインブルドンで、あまり後先のことを考えないで、力を出し尽くしたプレーをした。だからこそ、自己最高タイとなる2度目のベスト16に進出できたといえる。ケガを恐れ過ぎていた以前に比べれば、その勇気を評価したいと思う。

 しかし、一方で、今年27歳になるという現実も直視しなければならない。20代後半になれば、テニス選手の体力や回復力は、少しずつ落ち始めることが多い。錦織は、今の高いレベルにあるフィジカルを少しでも長く維持できるように取り組むべきで、そのためにも無理は禁物だ。

 錦織は昨年同様、今年もグランドスラムでベスト4以上の成績がまだ残せていない。トップ10に定着している彼が、これで満足しているとは到底思えない。

「あんまり悲観しすぎないように。ポジティブに夏に入れるといいですね」

 錦織の能力が最大限に発揮されるであろう、US(全米)オープン(8月29日~9月11日)で、悲願であるグランドスラム初制覇へ少しでも近づけることを望みたい。

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