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錦織圭が今季3度目でようやく見つけた
「ジョコビッチ攻略法」 (5ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki  photo by AFLO

 ただ、もつれた終盤戦において、勝敗を分けたのは最初のゲームと同様に、サーブである。第12ゲームからタイブレークにかけ、ジョコビッチは10本連続でファーストサーブを入れている。この試合、ファーストサーブが入ったときのジョコビッチのポイント獲得率は73%。

「第1セットも、第2セットも、ひとつのゲームで数ポイントの差だったと思う」

 錦織が挙げた「両者を隔てる差」は、もっとも重要な局面であるタイブレークで顕在化した。

「すごくチャンスがあったので、もったいないというか、悔しい気持ちもあります」

 試合後の錦織は、敗戦の苦みを噛みしめていた。"悔しさ"とは、自信とコインの表・裏――。その目に光が差すワケは、「まだ2セットで負けているので差はあるが、だいぶ近づいている気はしました」という手応えにあるだろう。わけても大きいのは、過去に錦織を悩ませてきた「早く攻めるべきか、じっくり行くべきか」の命題に、ひとつの答えを見つけたこと。

「どんどん打って無理していくことは、リスクが高い。この跳ねるサーフェスはスピンで打っても決まる場合があるので、今日はじっくりプレーしようと思って試合に入りました」

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