車いすテニス王者・国枝慎吾と14年。丸山弘道コーチが描くリオでの夢 (4ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu

―― 人材育成という観点からも、2015年はジュニアの車いすテニス全国大会をコーチ主催で開かれましたね。

丸山 子どもたちには、同世代とプレーする楽しさに触れてもらいたいと思っています。同時に、親御さんも「学ぶ」機会として参加してもらっています。たとえば、親御さんが子どものテニスバッグを率先して持ってあげるのを、当然のことのように見ている子どもがいる。でもそれは社会に出たら通用しないでしょう。人材育成の場としては、大会期間中は挨拶や片付けの大切さについてもかなりうるさく言います。子どもたちにも親御さんにも、車いすテニスを通じてたくましくなってほしいと願って開催しました。

―― 最後に、丸山コーチが思う理想の2020年東京パラリンピックとは。

丸山 夢は、指導している国枝慎吾と三木拓也が金メダルを争うこと。そして、ふたりが組んでダブルスで優勝して、単複そろえて日本人が頂点に立つことです。慎吾は当初、リオで引退と考えていましたから、『東京パラリンピック』が私と慎吾をもう一度つなげてくれた。「2020年まで一緒にやりたい」と言われていますし、頑張りたいですね。

【プロフィール】
丸山弘道(まるやま・ひろみち)
1969年7月20日生まれ。千葉県出身。
プレーヤーとしては、小学4年から大学卒業までテニスに打ち込み、インターハイやインカレに出場した。コーチとしては、車いすテニスの世界王者である国枝慎吾を2001年より指導し、車いすテニスの普及にも尽力中。2014年には、株式会社オフィス丸山弘道を設立し、代表取締役を務めている。

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