わずか1時間56分。錦織圭が「ひらめいた」クレー勝利の方程式 (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 そういえばもうひとつ、軽やかなものがあった。「短いほうが楽だから」との理由で、昨日会場内で切った頭髪だ。

 気合いを入れ直したのか――?

 試合後の会見でそう問われると、ベスト8進出者は、明るい笑顔で応えた。

「はい、気合いを入れ直しました! ちょっと浮ついた気持ちがあったので」

「浮ついた気持ち」のくだりは、もちろんリップサービスだろう。

「今までの良いテニスができていれば、優勝までチャンスはあると思うので、ひとつずつ戦っていきたいと思います」

 精悍さを増した短髪の面差しで、錦織は頂点へと続く階段を、一段ずつ上がっていく。


4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る