クルム伊達公子、現役復帰記念日に誓う「7年目への決意」
クルム伊達公子が、現役再チャレンジを表明したのは、2008年4月7日のことだった。早いもので、活動を始めてから6年が経過したことになる。
現役復帰をしてから6年が経過したクルム伊達公子「6年やるとは思わなかった」
これが今のクルム伊達の本音だ。彼女自身はもちろん、多くのテニス関係者が同じ思いではないだろうか。約12年のブランクを経て、ワールドテニスの現場に37歳で復帰。誰もが「彼女はどれだけプレーできるのか?」と当初は懐疑的だった。それが今や、世界のトップ100入りを果たし、グランドスラムにも出場。現在もトップレベルで活躍し続けている。
3月下旬に出場したWTAマイアミ大会では、本戦のカットオフランキングが79位だったため、WTAランキング93位のクルム伊達は、予選からの出場となった。予選1回戦で2時間32分、予選決勝で2時間36分、彼女は連日タフな戦いを強いられ、足をけいれんさせながらも勝ち抜くと、5年連続の本戦出場を果たした。
マイアミ大会は96ドローで、128ドローの4大メジャーより本戦ストレートインが難しい。その分、予選のレベルが高く、グランドスラムの1、2回戦を戦っているようなものだ。
「精神的にも当然タフだし、足のけいれんと向き合うことも簡単じゃない。ある意味、マイアミはグランドスラムよりタフ。予選といっても、予選と呼んでいいのかというぐらい。その中で、予選を2回勝てたというのは大きい。たとえ20歳でも、予選を連続で二戦、三戦戦えば、テープを巻いたり、どこかが痛いと言ったりするのが普通なので、(まして43歳で)そこを戦い抜けたことが、周りから言わせると、『もう十分だ』と(笑)。十分って言ったらおかしいですけど、あの2試合(予選)を勝ち抜いていることで、普通じゃないと言われました」
こう語ったクルム伊達だったが、3日連続の試合となった彼女に、本戦1回戦を万全の状態で戦う余力は残っていなかった。予選を勝ち上がった18歳のドンナ・ベキッチに6-7、2-6で敗戦。2年連続の初戦突破はならなかった。だが、足にけいれんを起こし、臀部(でんぶ)の筋肉が固まって思うようにコートで走れなくとも、連戦を戦い抜けたことがクルム伊達にとっては収穫だった。
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