【テニス】全米OP直前。得意のハードコートに誓う「錦織圭の野望」
「グランドスラムで、ベスト4に入りたい。一番可能性があるのは、やはりハードコートの2大会です」
これは今から1年ほど前に、錦織圭が発した言葉だ。2012年全豪オープン(ハードコート)でベスト8を経験していた日本のエースが、当然のように目指した、「ベスト8以上」。その目標を達する場として照準を定めていたのが、最も得意とするハードコートの大会だ。
全米オープン直前、ハードコートの感触を確かめながら最終調整をする錦織圭 8月26日よりニューヨークで開幕する全米オープンは、ハードコートである。また、過去に世界ランキング4位のダビド・フェレールを破った、思い出の地でもある。
「アメリカに住んでいることもあり、USオープンはグランドスラムの中で一番やりやすい。観客の雰囲気も馴染みやすいし、プレイしていて楽しい大会。自分に合っているグランドスラム大会だと思うので、ここで良い結果を出していきたい」
開幕を直前に控え、錦織圭は、そう決意を口にした。
錦織とハードコートの相性の良さは、これまでの戦績が明確に示している。約6年に及ぶ錦織のキャリア通算勝率は.594。その内訳をコートの種類ごとに見ていくと、ハードが.624で、クレー(土)の.605や芝の.500に比べて高い。また、今シーズンのみの成績で見た場合、ハードコートでの勝率は.733。やはりクレーの.667や芝の.500を大きく上回っている。
では、なぜ錦織はハードコートで強いのか? その理由は、彼の強さを支え、対戦相手たちを畏怖(いふ)させる「ふたつの武器」が、ハードコートで最も発揮されるからである。
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