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【テニス】
今季トップ10入りするために錦織圭がなすべきことは何か? (2ページ目)

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi  photo by Ko Hitoshi

 ただトップ20にいる錦織は、ベスト16入りを冷静に受け止め、4回戦から本当の実力が試されることを自覚していた。

「いい意味でそんなに嬉しくないというか、舞い上がっていないというか......。今までベスト16だと大きな結果でしたけど、本当にいい意味でそれに慣れてきた。これが当たり前になってくれば、上へのステップになると思う。今回どれだけいけるかわかりませんけど、16シードになって、ベスト8に入る試合がやっぱりカギになってくる。そこを勝ち進んでいけるかどうかですね」

 第4シードのダビド・フェレール(5位)との4回戦では、第1セットでの錦織の出だしが素晴らしく、グラウンドストロークのコースやスピードを先に変えて、自分から早めに展開した。ただ、第1ゲームで1回、第3ゲームで3回、錦織がブレークポイントをつかむものの、あと一本が取れない。

「ブレークポイントがあったけど、それをしのいだ。たしかにあれがキーだった」

 フェレールはこう振り返ったが、ツアー屈指のスピードを誇るフェレールのフットーワークによるコートカバーリングと、最初から最後までレベルの落ちない切れ味鋭いカウンターショットに、錦織は徐々に追い詰められていった。

「攻めて早めに展開するのを心掛けていた。バックのダウンザラインとか、最初はうまくいっていたが、ダビドが慣れてくると、しぶとくやられて、自分が打ちすぎてミスしてしまった」

 錦織は、フェレールに対して、コーチと取り組んでいる攻撃テニスを実践し、30 本のウィナーを決めたが、ミスを65本も犯した。ウィナーとミスが共に24本のフェレールに差をつけられ、2-6、1-6、4-6のストレートで敗れて、2年連続で全豪ベスト8入りはならなかった。

「やはり結果に満足するのは難しいですね。ただ、ひざの痛みがありながらも、ここまで来られたのはよかった。今日しっかり最後までやれたので。彼ら(フェレールらトップ5の選手)に勝つには足りないところがあり、もっと伸ばさないといけないところも見えた。彼らは本当にミスが少ないので、勝つにはかなりの忍耐力と体力がいる。まだ自分がそこまでいっていないことを感じさせられた」

 今回の全豪で単複3回戦に進出したクルム伊達公子も、錦織の結果を残念がった。
「錦織君は、本来であれば、クオーターファイナル(準々決勝)に入ってもおかしくない実力を持っている」

 錦織のケガがなければと振り返る人も多いが、ケガをしない体をつくって、ツアーを転戦することも実力のひとつだ。まずはケガを完治させ、春の北米ハードコートシーズンに備えたい。

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