2013.01.21

【テニス】なぜクルム伊達は全豪で3回戦まで進めたのか?

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi  photo by Ko Hitoshi

全豪で女子最年長となる勝利を挙げたクルム伊達公子「Come on!!」

 クルム伊達公子は、口を縦に大きく開き、メルボルンの青空に響き渡るほどの声で叫びながら、右手でガッツポーズをつくって勝利の喜びを爆発させた。

 クルム伊達(100位)は、オーストラリアンオープン(全豪)1回戦で、第12シードのナディア・ペトロワ(ロシア/12位)を6―2、6-0のストレートで破るアップセットをやってのけた。ビッグサーバーのペトロワに対し、リターンから攻撃的に打ってプレッシャーをかけ、相手に持ち味を出させなかった。

 クルム伊達にとって、全豪では1996年以来17年ぶりのシングルス勝利となり、2008年に再チャレンジを始めてからは、5度目の挑戦で全豪初勝利となった。42歳での勝利は、1968年のオープン化(プロ解禁)以降、大会女子最年長記録だ。

「もちろんグランドスラムで勝てたというのは、大きな1勝であることに間違いない。でも、それよりもケガがなく体の調子が良く、テニスもいい状態でグランドスラムに入れた。その中で、レベルの高いテニスができ、ランキングが高い選手に勝ち切れたことが何よりも大きい」

 こう語ったクルム伊達の快進撃は続く。気温39.9度の灼熱の中で行なわれた2回戦も勝利し、95年以来18年ぶりの3回戦進出を果たした。再チャレンジ後初のベスト32で、42歳での3回戦進出は、全グランドスラムを通じて2番目の年長勝利となった。

 昨年末、WTAランキングが146位まで落ち、13年シーズンはグランドスラム予選からの戦いも辞さない覚悟だった。だが、再びランキングを上げるため12年シーズン最後に出場したツアー下部のITFドバイ大会で優勝。99位までランキングを戻して、全豪本戦に滑り込んだのだった。