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「五郎丸ポーズ」の大ブームに戸惑った2015年 心がラクになったキッカケは「イチローさんのルーティン」 (4ページ目)

  • 齋藤龍太郎●取材・文 text by Ryutaro Saito

【リーチが引退するまでには......】

 現在は地域振興などラグビー以外の活動にも力を入れている五郎丸だが、代表OBとしてラグビー界で成し遂げたいことがある。

「2015年当時からずっと考えていることですが、今まで日本代表を背負って戦ってきた選手の功績を称える場が、日本にはないんです。これは大きな問題だと思っています。ラグビーワールドカップ2035年大会の日本招致が始まっていますが、それよりも先に歴戦の日本代表メンバーに報いる場を作るべきだと考えています。

 2019年の日本大会ですばらしい結果を残し、今シーズンで引退する中村亮土や流大(東京サントリーサンゴリアス)、ツイ ヘンドリック(浦安D-Rocks)、ピーター"ラピース"ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)など、代表を背負いながらラグビーを世に広めた人たちを称える場を作らなければなりません。

 そうすることによって、次世代の子どもたちが『自分も代表になりたい』と志すようになると、海外を経験したなかで感じます。リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)が引退するころまでには、ぜひ実現したいと思っています」

 五郎丸が大活躍した2015年のラグビーワールドカップを記憶しているという彼の長男は、高校ラグビーの名門校で今春ルーキーイヤーを迎えた。もちろん愛息に限らず、全国の多くの子どもたちにラグビーに触れる機会をもたらし続けるとともに、日本ラグビーの功労者を称えることで競技の普及育成を促していきたい考えだ。

 不器用かつ強がりで、自分を表現するのが苦手だったという、かつての五郎丸歩の姿はすでにない。不惑を迎え、知見を蓄えた、日本で最も有名なラグビーの伝道師は、これからも幅広い分野でラグビー界を支えていくことになるだろう。

(了/文中敬称略)


【profile】
五郎丸歩(ごろうまる・あゆむ)
1986年3月1日生まれ、福岡県福岡市出身。現役時代はフルバック。3歳でラグビーを始める。佐賀工業高では全国高校ラグビーに出場し、早稲田大では全国大学選手権を3度制覇。19歳で日本代表に初キャップ。通算57キャップ。トップリーグではヤマハ発動機ジュビロで5度のベストフィフティーン、3度の得点王に輝き、通算1282得点は歴代1位。2014年度は日本選手権初優勝に貢献。2015年ラグビーワールドカップに出場し、南アフリカ戦の歴史的勝利をはじめとする3勝の立役者となる。2021年の現役引退後は静岡ブルーレヴズのCROとしてクラブ経営に尽力し、現在は一般社団法人Future Innovation Labの共同発起人として地域振興などにも注力するなど、さまざまな活動を展開。

著者プロフィール

  • 齋藤龍太郎

    齋藤龍太郎 (さいとう・りゅうたろう)

    編集者、ライター、フォトグラファー。1976年、東京都生まれ。明治大学在学中にラグビーの魅力にとりつかれ、卒業後、入社した出版社でラグビーのムック、書籍を手がける。2015年に独立し、編集プロダクション「楕円銀河」を設立。世界各地でラグビーを取材し、さまざまなメディアに寄稿中。著書に『オールブラックス・プライド』(東邦出版)。

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